さんざん訊かれた質問に「やっぱり中国の曲って弾かないとダメなんですか?なんかよくわかんないんですけど」というのがある。
結論から言うと「ダメ」だ。
例えば「コブシがクルクル回る日本の歌手みたいな歌い方がしたい」という外国人がなぜか日本の曲を全く歌わずに「氷川きよしみたいなコブシになりたい」なんてことになっていたら「それは違うでしょ」と思うだろう。
例えばオペラ歌手みたいな声で歌いたいけれどイタリアの古典はよくわかんないからそこはすっ飛ばしていきなり「千の風になって」とか「Con te partiro」とか歌っちゃいます、と言う人がいたら「それは無理ですね」と思うだろう。
ちゃんと声楽の訓練がされていないとオペラ歌手みたいな声は出ないし下手をすると喉を痛める。
二胡には二胡の「コブシ」や「発声」がある。
それを目指さないならただの擦弦楽器、別にバイオリンでもよかったんじゃないですか?なんで二胡弾いてるんですか?となってしまう。
コブシや発声を習得して二胡が二胡になるためには中国の曲を弾くしかないのである。
フォークギターって元を辿ればスペインのアレでしたっけ?といったようにそのうち二胡が完全に「中国楽器」でなくなる日が来るかもしれないけれど、中国人の弾く二胡の「あの感じ」を自分でもやってみたいのなら、中国の曲を通じてそのニュアンスを会得していくしかない。