ポジション移動、特に高音から低いポジションに戻ってくるときに二胡が浮く、とか、ポジション移動のときに音がカクカクッとなってきれいなポルタメントでつながらない、とか、ポジション移動にまつわる悩みはいろいろある。
そんなときやはり「力を抜いて!」と言うことになるのだが、めいっぱい力を抜いているつもりでも二胡は自分の手の水かきに接着したかのように付いてくる。
こんなときに有効な練習方法が左手の指で「輪」をイメージすることだ。
今弦の上にある指に親指の先を向けて輪をこさえる。
人差し指が弦に乗っていたら「OK!」みたいな感じになる。
ポジション移動が上手く行かないのは棹を支える親指とその他の指の角度が「V」、イヤほとんど「γ」とか「Y」になってしまっているからである。
とりあえずはまずこれを「C」にする。今までギチギチに力んで反っくり返っていた親指をとにかく丸めてみる。そのために別の力みがでても最初は仕方がない。
「V」状態=親指が力んでいる状態だとトリルやビブラートも上手く行かない。まずは「C」を目指そう。
力が抜けてポジション移動がスムーズに行くようになってきたら最終的には親指をぷらぷらと適当に遊ばせて「し」くらいのカンジになる(上から見たときの形)。
首の据わっていない赤ちゃんを左膝に乗せて左手で支えているくらいの優しい感じだ。
よく「汗っかきだから」「油っぽいから」手が滑らないと考える人がいるがその大半が「V」になってしまっているのがポジション移動の上手く行かない原因なのだ。
ただし仕上げの関係で棹が滑りにくい二胡もある(ラッカー塗装など、ツルテカ仕上げの安い二胡にありがち)。自己責任の範疇になるが、気になる場合は目の細かい紙ヤスリでそっと仕上げを剥がして感触が「サラサラ」になるようにする、という手もある。「ツルツル」はかえって滑りが悪いので「サラサラ」にするのだ。
それと日焼け止めやファンデーションなど化粧品の一部には手に付いていると滑りが悪くなるものもあるので二胡を弾く場合は手を一度クレンジングオイルなどできちんと洗ってからにした方がよいこともある。